新型コロナの影響で、愛知県の今年の路線価は9年ぶりに下落しました。

 名古屋国税局によりますと、相続税などの算定基準となる路線価は、愛知県がマイナス1.1%と9年ぶりの下落となったほか、岐阜県と三重県も12年連続の下落となっています。

 いずれも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経済の落ち込みが原因とみられます。

 中でも影響を色濃く受けたのが、名古屋市の中心部。

(リポート)
「大きく路線価が下がったのが、金山総合駅の南側にある飲食店などが立ち並ぶ繁華街のエリアです。ビルに入った飲食店の看板を見ますと、真ん中の辺りは白くなっています。空き物件があるようです」

 名古屋市中区栄3丁目の「大津通り」と熱田区金山町1丁目の「新尾頭金山線通り」では、下落幅が6%以上に。専門家は…。

不動産鑑定士の小森さん:
「緊急事態宣言、あるいはまん延防止措置によって、休業要請や時短要請で酒類の提供ができなかったり、時間制限があったり、飲食店が多い地域で特に影響を受けた」

 熱田神宮の目の前の「大津通り」では、マイナス3.4%の下げ幅になりました。背景にあるのは、県外からの観光客が少なくなったことに加え、日本を訪れる外国人によるインバウンドの激減もあります。

 熱田神宮によりますと、2019年度の参拝者数はおよそ720万人でしたが、コロナ禍となった2020年度はおよそ3分の1になったということです。

 参拝者に愛されてきた「きよめ餅」を戦前から作り続けてきた老舗和菓子店でも影響がありました。

きよめ餅総本家の担当者:
「お正月は本当にすごく人が少なくて、ものすごく寂しかったです。3割4割ぐらいは減っているように感じております。しょうがないですね」


 観光客が多く訪れる岐阜県高山市の中心地上三之町でも、前の年はプラス10%でしたが今年はマイナス12.7%に。

 観光地にとってはまさに急転直下の下落となりました。