相手が駒を動かすのを待たずに、次々と自分の駒を動かすことができる「リアルタイムバトル将棋」。今年3月、eスポーツのライセンスタイトルに認定され、ついに将棋もeスポーツの仲間入りを果たしました。

 その「e将棋」のアマチュア大会で、優勝した岐阜県神戸町の中学1年生がいます。夢はプロの「e棋士」になることです。

■相手が打つのを待たず駒が激しくぶつかり合う「リアルタイムバトル将棋」

 岐阜県関市のショッピングセンターで行われた「リアルタイムバトル将棋」の体験会。将棋なのに駒が激しくぶつかり合います。

「リアルタイムバトル将棋」のルールは2つ。相手が駒を動かすのを待たずに、次々と自分の駒を動かすことができること。そして1度動かした駒は、金が6秒、歩が3秒など決まった秒数は動かせないことです。これまで羽生善治九段や、岐阜市の18歳、山口仁子梨女流など将棋のプロがプレーしたこともあります。

体験会に参加した女性:
「普通はできない、一気に3手指しとかできるので、勢いあって楽しい」


同・別の女性:
「確かに将棋のルールじゃないけど、逆に将棋が楽しくなるから、もっと将棋が好きになる」


■本将棋は一局30分以上も…気軽に短時間で遊べる「リアルタイムバトル将棋」

 このバトル将棋は、岐阜市のIT企業「シルバースタージャパン」が開発しました。一局30分以上かかってしまうのが将棋。しかし、最近の若者には気軽に短時間で遊べるゲームが人気のため、約1分で勝負がつく「リアルタイムバトル将棋」を考え出しました。

「ぷよぷよ」や「パズドラ」などに続き、今年3月には「リアルタイムバトル将棋」も日本eスポーツ連合でライセンス認定タイトルに。

 海外の大会では、賞金額が億を超えるeスポーツ。リアルタイムバトル将棋の登場で、ついに将棋もeスポーツの仲間入りを果たし、プロe棋士が生まれることになりました。

「目標はe棋士になること」と話すのは、現役のプロ棋士・星野良生五段(32)です。シルバースタージャパンと社員契約し、イベントで実戦するなど広報を担当しています。プロ棋士もプロe棋士を目指す時代になりました。

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■夢はeスポーツのプロ…アマチュア大会で優勝した当時小学生の男の子

 今年2月に星野五段も出場した大会で優勝したのは、岐阜県神戸町に住む、当時小学6年生の篠田伶桜くんです。

今、e将棋界で注目されている1人です。伶桜くんは、ほぼ毎日3時間、インターネットでe将棋の仲間と対局します。

篠田伶桜くん(13):
「負けた時の対局2、3回見て、後からもっと早く指す練習したりします」

「自分の得意な戦法を作るのが目標」と話す伶桜くん。小学3年生から将棋に打ち込み、岐阜の大会で優勝したこともあります。去年11月にe将棋に出会い、それからわずか3か月余りで、アマチュア大会で優勝しました。

伶桜くん:
「本将棋の方は一手一手を読んで集中する感じで、バトル将棋は自由に指して、コツとか速さを強くする感じ」

 バトル将棋はゲームのため、伶桜くんの母親は当初やらせることを躊躇していました。しかし、伶桜くんがどうしてもやりたがるため、本将棋も頑張ることを約束に、バトル将棋もやることを許可しました。

母親の真里さん:
「ここまで成長して本当にびっくりしました。こんなにゲームなのに頑張ってくれるんだって思うと、出会ってよかったし、支えていってあげようと思って」

 今ではe将棋に打ち込む息子を応援しています。将来の夢は「eスポーツのプロ」。中学生になった伶桜くんは、目を輝かせます。

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