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インタビュー

池上季実子さん(速水智恵子役役)

2015年4月13日更新

――榊原郁恵さん、宮崎美子さんとの共演はいがかですか?
「みんな、普段のまま役を演じていると思うくらい、役と自分が合っていると思います。私と郁恵ちゃんが変な会話をしているのを、クスクス笑いながら聞いている美子ちゃんが諭すようなことを言って。その言葉が的を得ているから、『さすが、クイズの女王ね』となるんですよ(笑)。私と郁恵ちゃんは何でもちゃっちゃっとやろうとして、美子ちゃんがそれをうまくサポートしてくれます。この3人のまとめ役は美子ちゃんですね」
――「プラチナエイジ」という作品についての感想は?
「定年って60歳ですけど、人生85年なんて言われている今の時代だと早いですよね。成人式で、『ここから大人なのよ』と言われ、その20年後の40歳ぐらいで酸いも甘いも分かり、その次の区切りが60歳かなって思います。まさに最後の再スタートの時期。『じゃあ、どうする?』って示しているのがこの作品で、泣きや笑い、胸に突き刺さるセリフがあって、考えさせられる展開になっています。誰にでもぶち当たる“老後”を正面から描き、この作品を見ていただけるといろいろ感じることがあるでしょうし、若い人たちにも年齢を重ねたとき何を選択していけばいいのか、考えるきっかけになる作品だとも思います」

――智恵子が置かれた状況をどう思いますか?
「智恵子と純ちゃんの夫婦は自分たちから何か行動を起こするのでなく、夫の痴呆症という思いがけない出来事をきっかけに、人生の転機を迎えます。『人生って何だろう?』と智恵子と純ちゃんを見て、考えていただけたら。お互い、これからもずっと一緒だと思っていた夫婦が病気で試されてしまう。実際にあることかもしれないですね」
――仲の良い夫婦だから、余計辛いですね。
「仲が良くて、『○○だもんね~』なんて言いつつ、顔をくっつけ合う夫婦なので、智恵子は“地獄”を味わうことになるでしょうね。そこにいるのに、中身がない。反応がないから壁にものを言うみたい。その辛さと言ったら…。純ちゃんの病状が悪化したとき智恵子がどんな選択をするのかが、この役を演じる上でのキーワードになる気がします」
――池上さんは昨年の夏、「向き合う力」という新書を出版されていて、こちらでも50代、60代になってから日々をどう過ごせばいいのか、ヒントになるエピソードの数々を披露されていますね。
「これまでバリバリ仕事をしながら、家のことや子育てを頑張ってきました。でも子供が結婚して『これからどう過ごそう』と思ったんです。若いときはいくらでも時間が欲しかったんですが、この年齢になると少しはゆったりもできます。そうなると“自分の時間の過ごし方”を考えるようになりました。いろんなことに追われていたころは雑務もいっぱいあったし、子供がいれば当然、子供のスケジュールを優先してきました。今はそうじゃなく、仕事もプライベートもフリー。もっと言えば住む場所だって自由。この年になってもまだまだ人生を模索中で、そんなときにこの作品との出合いがありました。だから『プラチナエイジ』のことになると、熱くなってしまって(笑)。自分のブログでもいろんなことを綴っています」

――今、池上さんが同世代の方々に伝えたいことはありますか?
「この作品でも香織さんが自分の世界をもっと広げるべきだと言われますが、今はどんな方でも何だって出来るんです。外に出る時間がなくても通信教育で学ぶこともできますし、ネット社会ですから、いろんな情報も手に入ります。奥さんに先立たれたご主人が後を追うように…、ってことも珍しくないそうで、それは料理が作れないからだそうです。じゃあ料理教室に通うとか、それが難しいなら奥さんに教えてもらうとか。私たちの世代って“再スタート”の時期と言いましたが、それを夫婦で迎えることができたら素敵ですよね」
――どの世代もですが、前向きなことはやっぱり大切ですね。
「先日、純ちゃん(春田純一さん)が60歳の誕生日を迎え、この現場でお祝いをしました。感想を聞いたら、『気持ち的にはこれまでと何も変わらない』と。年齢は60歳かもしれませんが、人の精神年齢ってそれぞれにどこかで止まっていると思うんです。私だって、50代半ばですが、精神年齢はかなり前に止まっていると思う(笑)。精神年齢が止まっていることは悪いことでなく、その精神年齢で大人として経験したことを活かし、物事の判断をしていけばいいだけのこと。香織さんが『もう60歳だから』とよく言ってましたが、私はそんな風にものを考えるのは賛成出来ないし、そう思わないようにしています」

――ところで池上さんは、智恵子、香織、和子の3人で誰に一番近いですか?
 「みんなからは『智恵子って半分、池上さんですよね』なんて言われてます。やっぱり智恵子かな。私にパート―ナーがいたら、智恵子みたいにベッタリしたいタイプなので(笑)、智恵子と純ちゃん夫婦は理想でもあります」
――では、ここは智恵子と違う、という部分は?
 「演じていて、智恵子に違和感ってないんです。ここまで役に近いと思えるのは、私の代表作の一つだと思っている『男女七人夏物語』以来。あのとき演じた役も当時の私に本当に近かったし、“男女七人”のときに感じた作品のおもしろさを今回も感じています。だから周りにも、『とにかく見て。いい台本だから』とかなり宣伝しています (笑)」
――最後に、本作は60代の夢と冒険の物語です。池上さんが新たなにチャレンジしてみたいことは?
 「スキューバダイビングに挑戦したいです。以前からやってみたかったんですが、耳抜きができないとダメと聞き、苦手で諦めていたんです。でも、飛行機の気圧の変化が大丈夫なら平気だと言われたので、今年はチャレンジしたいですね」

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