昼ドラ公式 twitter

インタビュー

宅麻伸さん(伊佐山晃司役)

2015年4月17日更新

――宅麻さんはこの作品に出演するまで、60代に対してどんなイメージを抱いていましたか?
「自分が子供だった頃の60代と言えば、世間はまさに“お年寄り”扱いしていましたよね。だから自分がその世代になったら、“おじいちゃん”に見られるんだろうなあ、と漠然と感じていた。けれど、30代、40代、50代と年を重ねても、『あれ、案外なにも変わらないな』と思うようになって。とは言え、自分自身60代が近づいてきて、そのことを意識することもあったけれど、この現場で同世代のみんなといると楽しいし、心地良いから、60代になろうがどうってことないんじゃないかって思うようになったかな (笑)」
――では“60代の青春”という本作のキーワードをどう思いますか?
「この作品に出合えたことで、今の時代の60代ってどんな感じなのか学べる気がしている。最初は正直、“青春”とは思い切った言葉を使ったなーと思った(笑)。ただ、実際に自分がその年齢に近づくと、気持ちというか思いとしては分かる。よく『生涯現役』とか『いつまでも○○』なんて言うでしょ。青春という単語も、自分を鼓舞する言葉だろね。そうありたい、と思うことは全然悪くないんじゃないかな」

――作品そのものに対する感想は?
「晃司を含め、この作品に登場する60歳たちは誰もが自分なりの生き方を持っていて、みんなが集まると雰囲気がいいんだよね。だからこんな風に60代を迎えられたらいいなって思うね。そのためには相方と信頼できる仲間がいないとダメだろうけど。最初の頃の晃司には何の問題もなかったから、演じていてもある意味楽しかったですよ」

――最初の頃は、と言うと今後問題になりそうな予感のする美咲とのことですね。
「撮影に入る前、晃司には若い女性との関わりがあると聞いて、純ちゃん(春田純一さん)、賢ちゃん(中本賢さん)にはざまーみろと思ったんですよ(笑)。ところが台本を読んでいくうち、これは大変なことになるな、と(笑)。本来晃司と香織はふつうに穏やかに幸せに暮らしていた。撮影でも笑顔が絶えなったんですよ。でもこうして撮影が進むにつれ夫婦の間にいろいろと問題が起きて・・・。でもまあ、それも人生じゃないかって気がしますけどね」
――晃司と香織夫婦の関係をどう思いますか? 榊原(郁恵)さんとは二人の間に問題が起きてしまう展開について「悲しいね」と話したと伺いました。
「晃司は香織のことを“ママ”と呼び、いくつになっても母親に頭が上がらず、母親と妻の間に険悪ではないものの、多少相容れないところがある。それって本当に普通のことだと思うんですよね、世間一般からすれば。60代の夫婦だと晃司と香織みたいな人たちがパーセンテージとして大部分を占めていると思うんですよ。しかしある日普通に日々を過ごしてきた晃司と香織に問題が起きてしまう。まあ辛いけどこれもまた、人生じゃないのかな」

――晃司が美咲に惹かれてしまう気持ちについては?
「男ってバカなんだよね、いくつになっても。全然成長しない(笑)。美咲は昔の恋人に瓜二つで、ましてや『昔、ここできみのお母さんと・・・』なんてことが続くから、つい本気になっちゃう。本当にかつて愛した女性の生き写しのような人が現れたら、と演じながら考えることもありますよ(笑)」
――宅麻さんなら?
「ないとは言えないな。おそらく・・・(笑)」

――恋愛に対して、人はいくつになっても純粋な部分があるのかもしれませんね。宅麻さんご自身は、いろいろな面を含めて自分が成熟した大人だと思いますか? 
「は!? すごいことを聞くね(笑)。自分が成熟しているか、と言えば・・・。全然ちゃんとしていないよ(笑)。ただ以前に比べればちゃんとした部分が増えただけ、それも多少だけどね。一括りで“人間として成熟しているのか”、“ちゃんとした大人になれたか”と言えばまだまだ。それはいくつになっても無理じゃないかな」
――変なことを聞いてすみません(笑)。現場のようすをお聞かせください。
 「(榊原)郁恵ちゃん、(池上)季実子ちゃん、(宮崎)美子ちゃんの3人は俺たち(宅麻さん、春田さん、中本さん)より年下だけれど、完全に彼女たちが現場を引っ張ってくれています。男たちのほうがしっかりしなきゃいけないのに、全然。俺ら3人が彼女たちの前にいると、子犬が身を寄せ合いキャンキャン吠えているようなものだから (笑)。でも、女性が強いほうがいいのかもね」
――(笑)。では改めて晃司の見どころを教えていただけますか。
「晃司と香織にはいろんなことが起きるけれど、晃司を演じるに当たって大切にしたのは、いかに普通でいられるか、ということ。家庭人としても、社会人としても晃司は“普通”の人間だと捉えてる。普通って実は案外難しいものなんですが。今後は、晃司を取り巻くさまざまなものに変化が訪れ、そのことで晃司が今後の人生をどう生きていくのかが描かれます。ある意味、縛りがなくなり、“フリー”になった晃司の言動を楽しみにしてください」
――最後に、本作は60代の夢と冒険の物語です。宅麻さんが新たなにチャレンジしてみたいことは?
「来年、60歳の誕生日を迎えるので、その記念になることをしたいかな。『インディアン』という大型のバイクあって、自分で一から作れたらいいなって思っていますよ」

ページトップへ