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インタビュー

西慶子さん(岩村由美役)

2015年5月19日更新

――本作は香織、智恵子、和子を通し、60代の女性たちの人生を描く一方、由美や京香、さらに美咲を通し30代の女性の生き方をも描いていますよね。
 「確かにそうかもしれないですね。由美は何でも計画通りに進めたいお父さんと、それに従ってきたお母さんを見て育ち、そんな両親への反発もあってか、計画通りではない人生に憧れ、自分なりのビジョンを持って生きてきたと思います。妊娠は由美にとって不測の事態で、でも動揺してはいけない、自分は大丈夫、お母さんのように人任せにすることなく解決してみせる、と言い聞かせてここまでやってきたのだと思います。本音は “どうしよう、どうしよう”で、石橋を叩いて渡りたいタイプのような気がしますね (笑)」
――「お母さんのように生きたくない」と言いつつ、気が付くと実家に戻り、しっかり親を頼っていますし(笑)。
 「困ると迷うことなく、両親を頼るんですよ (笑)。自分一人で子供を育てると言いながら、彼が養育費を出すと言えば当たり前のように受け取ろうと思うし、“覚悟”はまだそんなに出来ていない気が…。子供を産むまでは母親の面より子供の面が強いのではないでしょうか」
――内心では不安や葛藤を抱えつつ母親になろうとする由美の姿は、ある意味リアルでは?
 「“使えるものは何でも使ってやる”という気持ちかもしれないですね。だから実家にも帰ってきたわけで。私は両親とは違うと言いながら、甘えて頼る。“THE 一人娘”って感じですよね(笑)。由美を演じていると、いかにも一人娘だなって感じるところがありますよ」

――例えば?
 「否定しながら、親の影響をモロに受けている感じ(笑)。ふと気がつくと親の『嫌だな~』って思う部分を受け継いでいることってありますよね? 由美の言動にはそういうものを感じます。かく言う私も、一人娘でそういうところがあるんです(笑)」
――西さんから見て、ご両親のマイナスな面を引き継いでいる、と?
 「私の母は年がら年中怒っている人で、はたから見ていても、『なんでこの人はこうも不満顔なんだろう?』と思い、自分はそうなるまいと誓っていました。ところが自分が大人になると、何かあるとすぐぷりぷりしているんです(笑)。実は私の祖母も同じタイプ。何だかいつも不機嫌で、母はそんな祖母を見てはあんな風に怒ってばかりいるのは嫌と言っていたんですよ。そんな母を見て、『この人、自分が常に怒っていることに気がついていない!』とビックリしたことがあります(笑)」
――何だか由美の話のようですね。祖母の昌代も地味に暮らしているかと思いきや、突然家出してきたし、和子も湘南に引っ越してきた途端、「骨まで溶けるキスがしたい」なんて言い出すし、何の問題もないと思っていた由美も不倫の末、シングルマザーになる選択をするし…。
 「DNAが受け継がれているんですよね。この家の女たちは(笑)。実体験がある分、すごく理解できます」
――西さんから見て、吾郎のような男性はどうですか?
 「私自身、“計画性”というものがまったくなくて…。旦那さんがああいう人で手綱をひいてくれたら助かると思います。ただお父さんのように畑仕事とか、老人会の旅行とか、何でも強制されるのは辛いかもしれないですね」

――岩村家の居心地は?
 「現場で“岩村吾郎一座”と呼ばれているくらい、岩村家のシーンは笑いが絶えません。いつの間にか、ドラマのコメディパートを一手に引き受けていますよね。最初、由美はお母さんとの1対1、お父さんとの1対1のシーンが多かったんです。そのときは家族というより、母と娘、父と娘という面のほうが大きくて。由美が実家で暮らすようになってから、私自身も肩の力が抜け、“家族感”が増している気がいます。そこに翔也くんやおばあちゃんが加わり、ものすごく温かい雰囲気です」
――「プラチナエイジ」作品そのものへの感想は?
 「脚本を書かれている清水有生さんが香織さんたちと同世代だそうで、“60代”というものをリアルに感じます。ドラマを見ていると、60代の人たちが30代後半の私と何ら変わらない気がします。今の自分の年齢の人を子供の頃はものすごい大人だと思っていましたが、実際、自分がその年になると…。ひょっとしたら60代だって、私からすれば人生の大先輩ですけど、いざその世代になったら、まだまだ “若造”な部分があるのかもしれない、と思いました。そんな気持ちでいられるなら、前向きにいろんなことに挑戦できますよね」

――ところでカリスマ占い師、江ノ島ルビーが由美の子供が岩村家の希望になる、と語っていました。由美の子供がこの作品自体の希望になるかもしれないですね。
 「そんな大役を私が担うんでしょうか⁉ 分かりました。頑張って健康で丈夫な赤ちゃんを産みますね(笑)」

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