PEOPLE 社員紹介

報道部 北京支局

岩佐 雄人

2007年入社

愛知県政・名古屋市政キャップなど行政・政治の分野を中心に、経済担当・岐阜支局駐在など広く担当。2019年夏からFNN北京支局特派員。東京支社で営業外勤の経験も。

報道局北京支局の仕事とは

FNN北京支局の特派員として中国に駐在しています。FNNには11の海外支局がありますが、なかでも北京支局の取材・出稿量はトップクラス。日に日に中国の存在感が増し、世界や日本で起きるあらゆることが中国とつながっていると言っても過言ではないからです。国際政治のなかでの動きはもちろん、巨大市場中国のトレンドや日本企業の取り組み、重厚な歴史文化からグルメまで、カバーする対象は尽きません。

ネタを探して取材し、原稿を書くという仕事のやり方はこれまでと大きくは変わらないのですが、日本以上に行ってみるまで何が取材できるかわからない、瞬発力が問われる現場が多く、ヒヤヒヤわくわく、日々刺激でいっぱいです。全国向けのニュースだけでなく、自動車関連など、東海地方に関係の深い情報を「ニュースOne」の特集でお伝えすることもあります。

赴任直後から、大規模デモが続いていた香港にたびたび出張し、催涙弾や火炎瓶が飛び交う現場からも中継しました。思うような取材が許されないことも多い中国本土と違い、地元メディアも海外メディアも自由な報道ができる香港。同級生が逮捕されたと涙ぐむ女子学生、デモ隊の破壊行為を非難する親中派住民―、さまざまな声を聴きましたが、そんな自由な雰囲気が想像以上の速さで消えていく様子は衝撃的で、改めて報道の使命、歴史の一ページに立ち会う重みを強く感じる経験となりました。コロナ後は簡単には現地入りできなくなっていますが、取材を続けます。

そして、何といってもその新型コロナウイルスの感染拡大です。2020年始、「武漢で『原因不明の肺炎』が発生している」という原稿を書いたのがいまでは遠い昔のことのようです。北京の生活環境も激変していくなか、中国の厳格な封じ込め策を伝えても日本では「過剰反応」だという受け取り方をされ、歯がゆく感じたこともしばしば。近くて遠い中国の姿をどう伝えていくべきか悩みはつきませんが、それもまたやりがいです。

最近は放送以外の方法でニュースを届ける機会も増えました。複雑な国際ニュースは、地上波放送のなかだとどうしても消化不良になってしまうこともあり、盛り込めなかった内容はFNNオンラインなどで発信しています(https://www.fnn.jp/search/author/岩佐 雄人)。テレビ局の記者が長文記事を署名でなんて、私が入社した10年あまり前にはほぼ考えられませんでした。テレビと違って映像の有無を考えなくていいのは楽だなあなんて最初は感じていましたが、キャッチ―に、最後まで読んでもらう文章を書くのはなかなか難しく、楽しみながら試行錯誤しています。

東海エリアのニュースも、ネットを通じて全国に発信できるようになり、自分がこつこつ手掛けた調査報道が大きな反響を呼んだこともあります。可能性が広がる一方、ニュースの「届け方」はもっともっと工夫していかなければいけないと感じています。

就活生のみなさんへ

私が就職活動をしていたころから、テレビ業界ってバラ色じゃないし、大きく姿を変えないと生き残ってはいけない、と言われていました。今もその通りだと思いますし、正直変化に対応できていないと感じる部分も少なくありません。

もちろん、変化している部分もたくさんありますよ。技術の進歩は表現の可能性を広げていますし(先日は中国の砂漠のど真ん中から生中継しました!)、働き方などは大きく改善されてきています。

また一方で、変わらないよいところもあります。テレビ局が蓄積しているモノづくりの力や、地域に根差したネットワークや信頼(地域のみなさんからの期待でもあります)というのは、中に入ってみると予想以上に分厚く、勉強になることも非常に多いです。個人的には、情報発信やコンテンツ制作などに興味がある就活生のみなさんに「東海テレビを利用してやろう」くらいのつもりで仲間になってもらえるとうれしいなと思います。私も、多少でも利用しがいのある先輩となれるよう精進しますし、多くの後輩のみなさんから学ばせてもらいたいです。テレビの仕事は楽しいですよ!

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